5:30からのフジめざましTVで 園遊会のお着物の解説をさせていただきました。
(出典:フジTV)
園遊会でのコーディネートポイントは、
天皇皇后両陛下の開催ということで、何よりも品格有る装いで有るべきです。
その品格をどう着姿で表現するかというためには、他にも考慮すべきポイントが有ります。
○場所によるコーディネートポイント ~少し強い色へ~
赤坂御苑で開催されますから、その背景にある青い空と木々の緑の色合いが
着姿をぼかしてしまう傾向に有ります。
青い空と緑の木々の色合いはかなり強い色ですから、室内でベストと思われる着姿よりも、少し明るさが強いきものや帯を選ぶことが必要になります。
または、帯揚げや帯締めの色を強くするだけでも良いですね。
○季節による色と柄のポイント ~明るい綺麗な色と春の和柄へ
また、春と秋の園遊会では、季節が異なることから、似合って見える
色合いも異なります。
4月20日は、明るい日差しになりますから、透明感が高い綺麗な
色合いが好感度が高く見え、秋の園遊会は、日差しが落ち着いていますから
濁ったような暗い色が素敵に見えます。
秋に、白や薄すぎる色を身につけると、何だか変だとか似合わないと
思うことがありますが、それは季節による日差しの変化によることが
多いです。
春の柄と秋の柄も異なります。
4月は、桜が満開になりますから、桜柄も好まれることでしょう。
また、最適な柄は、パーティのような豪華さでは有りません。
花柄や風景や幾何学などで和柄がベターと言えます。
○格のポイント~セミフォーマル、振袖や訪問着~
開催が午後の2時ということは、昼のフォーマルになります。
昼は夜のフォーマルよりはドレスダウンされたセミフォーマルと言えます。
開催趣旨が、天皇皇后様が野外で主催して下さる社会的な功労者慰労への
社交の宴会ですから、格を意識しつつ、招待されたご自分の立場を間違いなく表現出来る着姿が好ましいです。
と言っても、アスリートだからと言って柔道着を着たりする訳にいきません。
和装の場合、未婚女性の第一礼装は、振袖で、既婚女性は、留袖か訪問着になります。
第一礼装の留袖は、格は高いのですが、上半身に柄が無いことから
華やかさや個性を表現するには弱いので、訪問着が一般的になっています。
皇室の皆様の格に準拠するとか、留袖をお召しになるのでそれを避けて訪問着に
するという考えも有りましたが、今の時代は、訪問着で個性を出すことが好まれると思います。
以上が、「春の園遊会」としてのポイントで、後は、個性をいかに表現するかということになります。
(出典:フジTV)
福原愛ちゃんは、結婚発表の時のピンクの絞りの振袖が大好評でしたね。
それに引き続き、今度は既婚女性の礼装である訪問着で、やはり絞りを
お召しでした。今回は薄いクリーム地に下り藤の流れるような柄です。
サーモンピンクの伊達衿を入れることで明るさを出して
可愛く初々しい若奥様らしさでした。
次に、バトミントンの高橋/松友、タカマツペア。高橋さんは、目と髪の黒さから、「常に強く在りたい」と思っていらっしゃる気持ちが「真っ赤」を選んで、小物まで気を使って完璧なコーディネートをなさったことが伺える着姿です。
それを見事に着こなしていらっしゃいます。
松友さんは、強さを可愛いピンクの色合いで包み込んで、「女らしく可愛く見せたい」心境なのですね。優しいお顔の雰囲気によく有っています。
レスリング女子の伊調馨選手は、白い朧染めの訪問着に銀の帯です。国民栄誉賞受賞の際の紫のお振袖の印象が強いので、その上を行く着姿を狙われたと思います。
お振袖ではなく訪問着に変え、白、銀、青のコーディネートできもの上級者の風格を見せてくれました。
とてもおしゃれですね。このような銀の帯は、金の帯の豪華さに比べて、モダンなおしゃれ感が出ます。
また、雅子様がおきもの姿だったのは、日本国民として本当に嬉しいことです。
とてもお顔映りが良い綺麗な水色の訪問着は、その色だけでも
華やかさが有りました。その上、柄は良く分かりませんが
白や緑を使って柄が多くて色数が少ないことで気品高さが高まっています。
また、白い帯締めと帯揚げを使うことでフォーマル度も高くなっていて
さすがに計算されたお姿だと思います。
紀子様も水色の訪問着ですが、雅子様の色合いとかなり異なります。
それぞれに良くお似合いで個性を表現できてお顔を明るく見せる
コーディネートに大成功なさっていると思います。