脇を攻略した伝統工芸作家四ツ井健作逸品訪問着

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寒さが戻った今日ですが、「きものを着る人である喜び」をかみ締めています。

今日は、本当に嬉しい日になりました。

求めていたものを完璧なきものの形で染め上げて下さった
日本伝統工芸正会員四ツ井健先生の逸品訪問着をご紹介させていただくことが出来るのです。
四ツ井健先生の訪問着の特徴は下記になります。

1:薪糊(まきのり)と糸目友禅技法の技の高さ
四ツ井健先生作品の技法は、巻き糊と糸目友禅の併用です。
薪糊とは、もち米を使って小さな糊を作って、それを布の上に巻き その上から染めるのです。四ツ井先生は、2回糊を巻いて、その度に上から
異なる色合いで染めることで色のコクやメリハリを出しています。
薪糊と糸目友禅という、いずれも手間がかかる技法を沢山使っていますし
ほとんどをお一人で作られるので、多くの作品を作ることが出来ません。
2:人が入った着姿の美しさ
メイクアップをなさる染色の先生に師事して勉強なさっているので
人がお召しになった着姿を前提に染めた構図や配色です。
つまり、メリハリが有って、モデルさんが着ても最先端であるような
ドレスのような美しさが有ります。着姿が洗練されてパワフルなのです。
3:脇を攻略した完成美
伝統工芸展入選作家さんとしての高い技術以上に
羽織って身につけた時の着姿の美しさに唖然とします。
その一例が右袖の脇から身頃につながるラインの見事さです。
誰もそこを攻めなかったような場所なのに
その場所を全体の主役のように美しく際立つ構図と色彩で染め上げています。
これだけ芸術性の高いきものを羽織る喜びをひしひしと感じる部分でも有ります。
羽織っていただくと、全体が大変美しくつながって、エレガントさが増すのを
嬉しく、嬉しく感じます。

4:単色に華やかさを添える薪糊技法
四ツ井先生の作品は、色数が少ないものが多いのですが、洗練された糸目友禅と
賑やかさを出す薪糊によって、「色数の多さが必要な人」にも「色数の少なさが合う人」
にも、とても素敵にマッチするように出来上がっています。
とても高い技ゆえに、多くのセンスの方を包容出来る逸品中の逸品です。

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訪問着「清韻」 黄色とグレーの大きな配色の中に紫露草を染めています。 単衣の訪問着としてもお薦めです。

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訪問着「冬河」 石川県の手取川に雪が降った様子をさわやかに染めました。
着姿が大変美しい訪問着です。人の体の動きまで考えられた訪問着です。

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訪問着「フラワーガーデン」額アジサイのお花を花園のように染めています。
単衣にお薦め 着姿が細くエレガントにと考えつくされた高度な訪問着です。

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夏訪問着 絽「爽流」脇の線が主役になるってあり?と驚嘆した逸品です。 これをお召しになる方がうらやましいです。

○日本伝統工芸正会員 四ツ井健 プロフィール

昭和37年 8月28日  四ツ井健(本名:健治)石川県金沢市に生まれる
56年 4月     金沢市内友禅工房に勤める
平成 3年 6月     第32回石川の伝統工芸展初入選(以後連続)
3年10月     独立
6年 6月     第35回石川の伝統工芸展・奨励賞
9年 4月     第34回日本伝統工芸染織展初入選
11年 8月     第46回日本伝統工芸展初入選
14年 6月     第43回石川の伝統工芸展・日本工芸会賞
15年 6月     第44回石川の伝統工芸展・奨励賞
16年 6月     第45回石川の伝統工芸展・奨励賞
18年 9月     日本工芸会正会員に認定
19年 3月     第41回日本伝統工芸染織展・北國新聞社賞
21年 3月     第43回日本伝統工芸染織展・日本経済新聞社賞
23年 6月     金沢めいてつエムザ・個展
26年 4月     第48回日本伝統工芸染織展・東京都教育委員会賞
27年 6月     第56回石川の伝統工芸展・NHK金沢放送局長賞

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