女冥利に尽きるきものとコンサルティング

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10月とは言え、暖かい日が続きますね。

温暖化の影響で、単衣や袷というきものの季節のきまりごとが
本格的に変わっていかざるを得ないのではないかと思います。

また、茶道人口が増えているということです。
変化する時代だからこそ、不変なるものや心の基本となるものへの
回帰傾向があるのかもしれません。

きものの形は変わらず、何度でも縫い直して着ることが出来る
経済性が高い衣だと、着れば着るほど実感しています。

きもの人の大きな購入方法は、きものライフコンサルティングを利用していただくということです。

きものライフコンサルティングは、「お客様のニーズ実現への協力者」という役割です。

そのために、下記の全てを行います。

〇カウンセラー :お客様のニーズを明らかにする。

何を希望なさっているのかよく内容をお聞きして
問題点を明らかにします。

〇ミディエーター:サービス企業とお客様との仲介・調整役

染め、織り、作り手、問屋さん、縫製士さんなど必要な
人や組織との関係を持ち、動かし、完成まで導きます。

〇プロデューサー:サービス提供プロセスの演出

他の手段での入手や制作を考えたり、短期間で間に合わせたりして
全体を希望に近づけます。

〇アクター:サービス提供の実行

おきものを実際にご覧いただいてお顔に当てていただくなど
実際に理解できる、判断できる場面をお作りします。

このコンサルティングは、「似合うが分からない」「欲しいものと似合うものが違う」 「立場上、間違いない着姿にしたい」とおっしゃるような方々に向けて行わせていただくことが多いのですが、きもののもの作りがどんどん出来なくなっている現状で、「欲しいものに出会えない」という場面が多くなっています。
そんな方々にもご利用いただいています。

ただし、欲しいものが探せばある時代ではもうなくなっていますので
欲しいものを形を変えたもので我慢していただかなければいけない場面が多いです。

例えば、あつらえの桐箱がもう1cm大きければ良いなと思われても
1cm分だけ大きくすればコストが当然上がります。

欲しいおきものがなければお作りしますが、染め上がってないから分からないとは、誰も解決出来ません。
どちらになさるか判断するしか有りません。

皆様が思っていらしゃる以上に、きもののもの作りは日々衰退しています。
今月になってさえ、周辺で何社か、何人かの方が閉鎖し退職なさいました。

これは、きものだけではなく、伝統工芸や多くの企業で時代の変化と入れ替わりの試練を受けているのだと思いますが
ただ、きもの業界がものすごい勢いでますます小さくなっていることは事実です。

そんな中でおきものをお召し下さる方々に、「どうぞ、状況をご理解いただいてご協力下さい」としか申し上げようがございません。

おきものを着ることがどんなに楽しいか、女冥利に尽きるかということは実際にお召しになる方々がよくご存知です。

その火を長く伝えて行きたいです。

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