「繊維のダイヤモンド」安曇野天蚕生糸100%の着物今夜21時からのライブにご参加下さい。

「繊維のダイヤモンド」と呼ばれる安曇野天蚕生糸100%の着物を本日21時からYoutubeの公開ライブでご紹介させていただきます。是非ご覧下さい。

安曇野天蚕生糸100%の着物とは

安曇野という天蚕の里>
天蚕を日本で初めて産業品として飼育を始めたのが安曇野の有明地方で天蚕の発祥の地です。

産地である安曇野は長野の中央部に位置し北アルプスの山麓に広がる豊かな自然にあふれた場所です。
澄んだ空気と清らかな水が流れます。
環境に左右される天蚕飼育は、自然界の苦難を乗り越えてきています。

そんな地で育てられる天蚕は、野山でクヌギやナラなどを食物として育ち
室内で育てるのではなく、屋外のネットを張った中で放し飼いにします。

1781年に穂高有明地区で飼育が開始され繁栄しました。
江戸時代後半から技術を高めて行って明治大正に栄えましたが
第二次世界大戦で一時生産が途絶えてしまいました。
その後、長野県の試験場が設置され飼育を再開しました。

糸の希少性>

長野県安曇野で織られる天蚕の着物は、希少価値から、出会うことがとても難しい着物です。
安曇野で天蚕糸はその希少性から「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれ、非常に高価な糸です。

天蚕の飼育の難しさと織る事の難しさで生産は激減しています。
最盛期の明治30年には年間300万粒の繭を生産できました。
有明地区で800万個の繭を生産していましたが今は多くて年間2万個です。
1反に必要な繭3000個ですから、年間5、6反しかできないのです。

ところが、天蚕は、家蚕の糸と比べると 伸度が高く、軽くてふくらみがある糸なので
織るのはとても困難で熟練の技が必要になります。

伸び収縮みするのでそれを計算して機にかける必要があり、人の経験から生み出す予測測定力が必要です。
横糸も織りが難しいが縦糸に入れる事が一層難しく高い技が必要となります。

生糸と紬糸>

質の良い繭は、【ざぐり】という方法で生糸にします。

 

熟練した、この糸をとる方々によって、天蚕糸の美しい光沢が生み出されます。

 

天蚕糸の美しい光沢は、熟練の<繰糸家>たちの手によって生み出されます。
100度近いお湯の中に繭を入れて煮て柔らかくして、接着している糸をときほぐします。

繭から引き出した1本の糸を7本程度に撚ってまとめ、42デニールの糸に製糸します。
これが【穂高天蚕糸】です。

穴のあいた繭や玉繭(2頭の蚕がつくる1個の繭)などは、紬糸の素材になります。
生糸にできない繭を紬糸に加工します。
灰汁や亜硫酸ソーダんどで煮沸することで繊維の周りのセリシンを溶かして柔らかくした繭を
ほぐして真綿状にします。


真綿を少しずつ手で引き出しながら指先でよりをかけた糸を紡ぎます。

これが【天蚕紬糸】です。

天蚕紬糸を織り込んだ紬

このように【生糸】と【紬】があります。
上質の糸である生糸と紬では、品質が大きく異なりますが、
どちらも【天蚕】として、ものすごく希少価値が高いものです。

糸の特徴>

とても軽くてふんわりとして肌に触れていると優しい温かさを感じる糸です。
また、光沢の美しさも驚く程です。
優しく気品高い光沢感は、穂高の空気や水の美しさから生まれるものだと思われます。
羽織った時に、とても軽くふんわりと体を包んでくれるのは最高の着心地です。

皇室御用達のローブデコルテも、織の生地として最高のものですが
そのような雰囲気に近い美しい優しい気品高い光沢感です。
ローブデコルテは織機ですが、この天蚕は手織りでしか織れないものですし
緻密に手織りされた織り模様は、手仕事のすばらしさを伝えてくれます。

また、天蚕糸が通常の絹糸と決定的に違うのは、繊維としての強さです。
家蚕の糸に比べて大変強いのです。
そのために、とてもシワになりにくい生地になっています。

色合い>
天蚕糸は絹糸と聞いて想像される白色ではなく、美しい光沢のある緑色をしているのが特徴です。
野生ならではの美しさですが、精錬する段階で、この薄い緑色は取れてしまい白くなります。
そのため、化学染料を使って少し色をつけています。

生産状況>
天蚕糸が一部織り込まれている天蚕紬は、高価な着物となっています。
高価な原因は、天蚕糸の希少性です。

天蚕糸は通常の絹糸に比べて染まりにくいため、天蚕糸を使った部分は周りの部分と染まり方が変わることから
模様の上でもアクセントとして使われます。
天蚕糸のみで織物が作られることは現在ではほとんどないと思われていますが
実際には、ここに細々と伝えられているのです。

現在、天蚕100%で着物をおることができる人が怪我をしていることと高齢化で
すぐに生産できない状態です。ショールは織る事ができますが着物はな難易度が高いです。
また、天蚕の生糸ではなく紬糸を部分的に入れた紬を織る事はできます。

このような状態ですが、着物を注文生産としてご注文いただけたら
少しお時間はいただきますが、100%天蚕の生糸の着物(紬ではなく織りの着物になります。)を
有明の方々が織って下さる可能性があります。

その事が、天蚕の着物にとって、有明の方々にとって、日本の着物の伝統にとって
お役に立てることではないかと思います。

ご興味がある方はご連絡下さい。

https://www.kimono-bito.com/item.php?item_id=007261

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