着物を織るための国産の糸は、とてもとても少なくて、何年も前に全体の0,1%以下と
言われていました。
それだけ少ない国産の糸を大島先生の紬は使っています。
この糸は、○○県の山田○○さんが取る糸で、この糸は、○○県の△△さんが取る糸
というように糸を作る人まで分かっているのです。
そんな糸を使って、大島先生は、黙々と織って下さっています。
私も着せていただいて感じる独特の上品な光沢感と糸の細さから生まれる繊細さは
日本の糸が持つ日本の風土の繊細さかもしれないと思います。
──── 大島先生から ──────────────────
糸の色の濃さは染料の量と媒染剤の量 染め重ねる回数で濃くなってゆきます。
染料によっても違いますが 糸が痛まないように気を使います。
日を置いて染め重ね 徐々に濃く染めることが多いです。
糸にもよりますが
媒染はあまり繰り返すと糸が痛みますので1、2回で 後は染料を繰り返して様子をみます。
細い華奢な絹糸ですが 布になると驚くほど逞しいですし、頼もしいです。
(紅梅使用 )
(げんのしょうこ使用 )
染めた糸は暫く寝かせておきます。目に見えるほどに糸が痛むことはありませんが
落ち着かせるように 眺めながら どんな縞、格子、絣に出来るか考えます。
(げんのしょうこ使用 艶あり)
光沢のある糸は繭から引いた生糸です。
主に縦糸に使いますが今回の光沢のある着物は緯糸にも生糸を使いました。
さらっとして意外と着やすい着物だと思います。
帯使いが楽しめると思いました。
(藍とロッグウッド使用 艶あり)
(藍とロッグウッド使用 艶なし)
藍でそめた節のある着尺は銀座の草木染展で展示したものです。
ぼそぼその光沢のない織り地の糸は つむぎ糸で主に緯糸(横糸)に使いますが
糊付けをしっかりして縦糸と緯糸ともに使うと 結城の紬に似たものになります。
https://kimono-bito.com/list.php?d_id=20210614092743&category_id=0049
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