ある街の老舗のうなぎ屋M様は、女将さんが全てを仕切っています。
明治時代からの由緒ある老舗銘店です。
広い椅子席のある食堂は、大きな立派な梁が通っていて
日本風の風情が有ります。
個室は、それぞれ見事な日本庭園に面しています。
50人程度の従業員さんがいますから、中居さん、料理さん、受付さんは
もちろん、植木職人さんや配車やお掃除の方など、様々な方面に女将さんが
気を配って、いつも、いつも大忙しなのです。
朝から夜遅くまで、手配や接待で、本当によく働いていらっしゃいます。
そんな女将さんは、いつもきもの姿です。
昼のきものと夜のきものは着替えていらっしゃいます。
老舗女将としてのきもの姿は、女将さんらしく見えることです。
接客上、女らしいピンクなどの色合いが必要です。
しかし、一目で中居さんのきもの姿と区別出来る着姿も必要なので
付け下げや絵羽などで豪華すぎないきものが重宝します。
長襦袢は、すぐに着ることが出来るローズカラー加工をします。
後は、お肌の色や個性に合うということです。
「ピンクや青が合わないの」とは、お肌がイエロー系なので
薄茶、緑系、イエロー系、シルバー系が合うということになります。
それらを勘案して、
「単衣の帯を送って下さい!」
「娘の成人式で着る私の付け下げ、派手すぎないの!」
というようなリクエストにお応えしています。