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きもの人は、良いお仕立てを目指します。

お作りになるきものは6枚目で、初めてご自分で採寸なさったお客さまMさまと
お客さまの声をお聞きしながら仕立てるのは初めてのお仕立て人 三花さんと
一番頼りないかもしれない(^^;) 女将が、「良い仕立てを目指すプロジェクト 」のスタートラインについた経緯です。


Mさまから、ご注文いただいた久留米絣を宅配便でご自宅にお届けしました。

6/2 Mさまからのメール
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昨日家に帰ったら 久留米絣が届いておりました。
木綿だし、厚くてばしばししているものと思って いたら、薄くてしなやかなのに、驚きました。
太陽光の下であててみて、いい感じなので、 よかったです。
画面を大きくしたりして、何度も見て 考えた末の注文だったので、ホッとしました。

月曜日か火曜日に(お仕立て代を)送金および、反物をお送りします。
お仕立て加工フォームを見て、わかるだけ書きますが、 自信がないので、長襦袢も送ります。

母に言われて気がついたのですが、普段着なので、 袖丈が短い。
ということは襦袢がいる。ショック!!

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6/6 宅配便で、久留米絣と長襦袢を受け取り、お仕立てをするのは
三花さんというお仕立て人です、とお伝えしました


6/7 Mさまからのメール

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ちゃんと届いて よかったです。 袖丈はつくづく悩みました。

母には普段着のきものが袖が長いのは変なんて 言われるし。
それでも確実に出来たらすぐ着れるほうを選んでしまいました。

・・・・・仕立て士さんのお名前を教えていただくのは初めてです。
浴衣 長襦袢を含めてきものをつくるのはこれで6枚目ですが、
呉服屋さまを変えたのも初めて、メールで注文したのも初めて、
その上、自分できものの寸法を測ったのも初めてで、楽しみだけど不安もあります。

なにより、自分で採寸した寸法が一番心配です。
私の採寸はあくまでも参考にして〜。三花さんの経験を信じたい。
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6/7  三花さんからのメール

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おかみさん 久留米絣、お待ちしております。  
私も、自分の知り合い以外で、お客様に名前を教えるのは始めてです。
Mさまの、楽しみだけど不安、というのももっともだと思います。
私も、楽しみだけど不安、です。

Mさまの期待にちゃんと応えられるものができるだろうか。
Mさまに、私の想いは届くのだろうか。
Mさまのきものへの想いと、私のきものへの想い、そしておかみさんの きものへの
想いがうまく重なって、すばらしい1枚ができあがるように がんばりましょう。

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Mさまの年齢やきものへの想いなど、分かる範囲で三花さんに伝えました。

6/7  三花さんからのメール

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やさしい印象の方ですね。
Mさま自身のきものへの愛情があふれていて、 どんなかんじできものと
付き合っていらっしゃるのかは なんとなくわかりました。

そしていよいよ仕立てるにあたって必要な情報はまず、身長、裄、3サイズなどの寸法
そして、それがわかった上で決めなくてはいけないこと(お客さまに お聞きしたいこと)は、

身丈・・・標準では「身長と同じ」となっていますが、長めがいい、少しし短かめがいい、などの好み。
着付けの仕方やくせなどで 本人の着やすい丈があるのではないかと思うのです。

裄・・・・割り振り。Mさまの場合は肩幅をあまり広くしない方が よいかと思います。
これは生地の張り具合も少し関係してくるかと思いますが、
お持ちの襦袢にどうしても合わせたい、という御要望があればそうしますけど、
そうでなければ袖幅を若干ひろめに取った方がいいのではないでしょうか。

袖丈・・・御指定の寸法をお知らせください。
木綿ですので、少し短かめになるのでしょうか?

袖付・・・5寸5分または6寸といったところですが、
普段着られている きものの寸法をはかっていただいてもいいですし、
帯を締める位置によっても考えた方がいいので、その点を教えて下さい。

袖丸・・・標準5分ですが、好みで、8分、1寸、1寸8分、2寸1分 などに変えることができます。
もちろんこの中にない寸法でも、指定していただいた寸法に仕上げることが可能です。

身幅・・・ヒップ寸法がわかれば決まりますが、前幅を広めにするなどの好みが
あったらお知らせください。
今までにお持ちのきものが 、どんな寸法でできているか、
その着心地がどうかがわかればいいのですが。
あと、どんな用途で着られるかも関係してきますよね。
木綿ということも考慮して決めましょう。

抱幅・・・Mさまの場合は狭めにした方がよいかと思います。
標準は前幅マイナス4分〜5分ですので、バスト寸法がわかったら、
そこからも割り出してみて考えましょう。

くりこし・・好みの寸法をお知らせ下さい。
着かたにも関係してくると思いますのでそれも教えて下さい。

衿下・・・標準は身長の2分の1ですが、身丈あるいは好みなどによっても決められます。
お気に入りのきものを測って頂いてもいいですし、
少し長めに、少し短かめに、などの希望があればそのようにお伝え下さい。

おくみ下り・・標準は肩山から6寸です。これはあまりいじらない寸法ですが、
もしかしたらMさまのような体系の方は、少し変えると胸元がすっきりいくのかもしれません。

これは、私は着ることができないためなんとも言えないのですが、
写真を拝見したところによると、ほんの少し剣先を上げた方がいいような気もします。    

身八ツ口・・3寸5分から4寸が標準です。Mさまは3寸5分が良いのではないかと思います。

衿肩明・・これは標準2寸3分でいいですよね。  

共衿丈・・好みで決めることができます。
用尺の都合上、希望にそえないこともありますが、Mさまの身長ならたぶん大丈夫だと思います。
帯の上端に見えたほうがいいとか、長めにして帯の中に隠してしまってすっきり着るとか、
好みを教えて下さい。

また、剣先から何cmくらい下がいい、という指定でも結構です。

その他の御要望  肩当て、居敷当てをつけてほしい、内揚げを多めにとってほしい、
などなどがあれば、指定してください。   

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6/8 Mさまからのメール (残布で何か作りましょうという女将からのメールに対するご返信です)

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メールありがとうございます。   なんだかとってもうれしいです。

祖母の時代より前には、和裁は出来て当然。
機織だってしていたのに、私は浴衣一枚縫ったことありません。
和裁の仕立は、遠い存在といったらいいでしょうか?

あなたが仕立ててくれたものを、私が着る。
仕立てる方もプレッシャーがあるでしょうが、着る私も責任を持って着ないと。

布がそんなに沢山残るのでしょうか?  
今までのは、端が10cmくらいしかないのですが?  楽しみです。

このきものが出来て、半幅の帯でパパッと結べるようになったら、通勤に一度は着ていきたいと
 いうのが密かな願いなのです。(会社は制服だもの)

きものが特別なものになりすぎて、今でもきものを  着る時は、気負いがあります。
きものが自然になるよう、木綿のきものにかける期待は大きいのです。

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6/8 三花さんが書いた質問に女将が体形や着付けのことをプラスしてMさまに質問させていただきました。
それに対して
Mさまからいただいたメールです。

6/11

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こんばんわ  本当にビックリしてしまいました。  できる限りお答えします。
和裁の知識がないので、質問がよくわからないのがあります。

洋服をオーダーする時でさえ、こんなに細部まで決めなかったよな。
ましてきものはね。
きものってこんなにいろいろ考えて縫ってあるのですね。  
きものを縫うところまで参加できるなんて、幸せです。

あぁ何て言ったら言いのでしょう?
ものすごく着道楽になったようなと言うか 私のきものを作っているっていうか。

ただ 知識も経験もないので、長くしたり短くしたりすることで、
どうなるのかわからないので、最終的にはお任せします。  どうか宜しくお願いします。  

>(1)体型で気になるところや特徴を教えて下さい。

→ なで肩で胸はないです。
  洋服なら脱ぎ下げになり、きものなら、襟元がはだけます

.   ・3サイズの寸法       B 71 W58 H83

>(2)着付け
   ・ご自分でなさいますか?
→  はい 自分で.着ます。

   ・着付けで補正をしますか  ・補正するところはどこで、どのようにしますか?
→  通常は補正します。タオルをさらしで包んだものを胸と腰の間に巻きます。  
   ただ、久留米絣は普段着なので、どうしようかなぁと思っています。
   浴衣を着た時、おしりがプクッとでるので、それも変だし、迷っているところです。


   ・帯を締める位置は高めですか、低めですか、特に気にしていないですか?  
→  特に気にしていません。というよりまだまだ着るだけが精一杯です。

   ・ブラは和装用ですか、洋装用ですか?
→  洋装用です。 一日着ている時はつけないこともあります。

>(3)仕立て  

   身丈・・・標準では「身長と同じ」となっていますが、長めがいい、少し短かめがいい、などの好み。
        着付けの仕方やくせなどで着やすい丈があればお知らせ下さい。
→  おまかせします。

   裄・・・・割り振り。Mさまの場合は肩幅をあまり広くしない方が よいかと思います。
        これは生地の張り具合も少し関係してくるかと思いますが、
        お持ちの襦袢にどうしても合わせたい、という御要望があればそうしますけど、
        そうでなければ袖幅を若干ひろめに取った方がいいのではないかと思います。    
→  おまかせします。

  袖丈・・・木綿ですので、少し短かめになることが多いのですが、
        今回は長襦袢に合わせるということで、特に短くしないようにします。    

  袖付・・・5寸5分または6寸といったところですが、帯を締める位置によっても考えた方がいいので、
        その点を教えて下さい。
→ 着るだけで精一杯で。
   強いて言えば、着始めは高い位置で結ぼうとして、だんだん下がってくるような。
  このきものはとりあえず半幅帯からと思っているので、胃のあたりで結ぶかな。

   袖丸・・・標準5分ですが、好みで、8分、1寸、1寸8分、2寸1分などに変えることができます。
        もちろんこの中にない寸法でも、 指定していただいた寸法に仕上げることが可能です。
        袖の丸みをどうなさりたいかです。
        試みに少し丸くしてみましょうか?
→  私のきものの中で一番おとなしい(大人っぽい?) きものなので、
    袖を丸くして少しかわいらしくしたいです。
   
といっても大きさが把握できず、どれともいえないのですが。

   身幅・・・ヒップ寸法がわかれば決まりますが、前幅を広めにするなどの好みが
        あったらお知らせください。 
        今までにお持ちのきものが どんな寸法でできているか、
        その着心地がどうかがわかればいいのですが。
→  前幅ってどこからどこまでの長さなんでしょう?
    だいたい折り返してきています。 

   抱幅・・・Mさまの場合は狭めにした方がよいかと思います。 
        標準は前幅マイナス4分〜5分ですので、バスト寸法がわかったら、
        そこからも割り出してみて考えましょう。          
→  おまかせします。  

   くりこし・・好みの寸法があれば、お知らせ下さい。衿の抜き加減はいつもどれくらいですか?
         沢山抜きますか?
→  くりこしはどこでしょう?衿はあまり抜きません。

    衿下・・・標準は身長の2分の1ですが、身丈あるいは好みなどによっても決められます。    
→  おまかせします。

    おくみ下り・・標準は肩山から6寸です。
→  おまかせします。

   身八ツ口・・3寸5分から4寸が標準です。3寸5分が良いのではないかと思います。
→  おまかせします。

   衿肩明・・これは標準2寸3分でいいですよね。
→  おまかせします。  

    衿の形・・衿は広衿とばち衿があります。
         広衿とは紬などでよく見かけますが、広げたら広い衿を折って使います。
          ばち衿は縫いつけてありますから、着易いのですが布の重ねが広衿よりは薄くなります。                        久留米絣のような物はばち衿にすることが多いです。
          ばち衿でいいと思いますが、いかがでしょうか?           
→  ばち衿でお願いします。

    共衿丈・・好みで決めることができます。
         帯の上端に見えたほうがいいとか、長めにして帯の中に隠してしまってすっきり着るとか、
         好みを教えて下さい。また、剣先から何cmくらい下がいい、という指定でも結構です。
→  こんなこと考えたこともなかった・・・。おまかせします。

   残布で、小物を作らせていただくので、 今回は、内揚げはとらずにくりこしあげのみで、
    袖底や衿先などの 縫いしろも特別多くはとらずに、できるだけ残布を出すようにさせていただきます。
    宜しいでしょうか?   
→  おまかせします。

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6/13 Mさまの返事を受けて、三花さんからのメール

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本当にかなり華奢でいらっしゃいますね。
Mさんが測ってくれたきものは、後幅7寸5分、前幅6寸でできている ようですが、
これはヒップ90センチの人の標準寸法です。
これでは、おそらく着るときに幅があまってしまっているでしょう。

襟元がはだけるというのも、かなり気になりますね。
もしかしたら、衿肩明が2寸3分では大きいのではないでしょうか?
でも、赤い長襦袢は2寸3分でできていますから、
もしきものだけ 狭くすると襟元がしっくりこなくなってしまいますよね。

●  裄・・・・きものは165でできていて、袖幅85、肩幅80という割り振りのようですね。
長襦袢もこれと同じにできているようです。これに合わせますか?
それとも肩幅を狭めにして 袖幅87、肩幅78ということも考えられますが、
肩幅が違うと襦袢がでてしまうのでしょうか?

●  袖付・・・長襦袢55でできています。きものも55でできているようです。
普通、長襦袢の袖付けはきものよりマイナス2分しますが、どうしたらいいでしょう?

● 身幅・・・ヒップ寸法から考えて、後幅7寸2分、前幅5寸7分にしようかと思いますが、
おかみさんが考えて、前幅を多めにしたほう がいいとかありますか?

● くりこし・・好みの寸法があれば、お知らせ下さい。
 沢山抜きますか? →  衿はあまり抜きません。 → いくつにしましょうか?

● 衿下・・・おまかせということなので、標準の身長の半分、2尺にしましょう。
●おくみ下り・・標準は肩山から6寸です。→ おまかせします。→ ほんの少し小さくして剣先をあげてみます
●衿の形・・→ ばち衿でお願いします。 →  ばち衿ですね、わかりました。
● 共衿丈・・→こんなこと考えたこともなかった・・・。おまかせします。→ おかみさんの判断をお願いします。

● 補正をしても、肩幅なんかはなんともなりませんよね? むずかしいですね。
衿肩明を1分狭くしたら、首回りというか胸元が 少ししまった感じになりませんか?
Mさまは首も細いのかしら? 

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・6/14 Mさまからのお手紙が写真と一緒に女将宛に届きました。洋服姿と和服姿です。
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ご依頼の写真をお送りします。
最近写真を撮ることがないので、洋服の写真は4年も前のものです。
(まだこの服着れるし、体形もそんなに変わってないし・・。)

きものが仕立て上がって手元に届くのが、とても楽しみです。
今回きものを仕立てていただくに際し、色々質問され、
叉、はっすい加工のお話を読み、自分で決めるって、大切なことだと思いました。

よくわからないし、ずっとおまかせしてきたし、今でもほとんどおまかせ気分なのですが、
こうして質問されると、私は久留米絣をどう着たいのか、といった思い、考えは、
もやもやしていて、はっきりしません。

ただ、きものを着るのは自分なのだから自分がそのきものとどう付き合っていくか、
よくよく考えないといけないというのは何となくわかります。
とはいえ、もしきものを買ったら、はっすい加工をするべきか、せざるべきか、
ものすごく悩むんだろうな、きっと。
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6/15 三花さんからのメール

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昔は、木綿といったら肩当てや居敷当ては当然つけるものだったようですね。

今は、特別指定がない限りはつけませんし、ゆかたなんて指定してくる人も ほとんどいませんし。
いらなくなったのは、それだけ毎日着るものではなくなったということでしょうか。
私が和裁を始めたときにはすでに肩当ての代わりに衿肩明に三日月という力布を つけなさい、ということでした。

三日月というのは、両方の衿肩明の切り止まりに10円玉くらいの大きさの残布を はさまで強化するものです。

私の師匠は衿肩明を丸く切るためかこれさえつけなくていいといいます。
でも、この力布の大きさにも違いがあるようで、先日おかみさんのお宅で 見せて頂いた単衣のきものには、
衿肩まわり全体に力布がついていましたね。
もしかしたら、関東ではあれが主流なんですか?

Mさまのきものや今後の長襦袢などはどうしたらいいですか?

・・・とにかく手紙と写真のコピーを待ちます。

私は、和裁に専念したいと思っているので、 超一流の仕立て人めざしてがんばりたいんです。
Mさまのきものについては、写真が届いたらもう一度考えてみます。
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Mさまのお仕立てサイズを決定する上で、細さをカバーして少しでも着易い形をつくるにはどうしたらいいのか、色んな方のご意見をお聞きしました。

まず第一にきもの人が誇るお仕立て名人の万由子さんにお聞きしました。

万由子さんは、

 三花さんが考えた寸法でいいと思います。
 衿肩明は狭くした方が良いと思います。
 でも長襦袢に合わせるのでしたら仕方ないですね。

 もしかしたらばち衿というのが、はだける原因ではないでしょうか?
 個人的な推測ですが、男物の棒衿、浴衣のばち衿、年配の方の日常着としての 
  ばち衿は色んな動作につれてはだけていっているように思います。  

 後は補正と着付け方の問題になり、補正を嫌がるかたもいますが、
  しっかり入れた方が着崩れを防ぐと思います。

それから岩槻にお住まいの仕立て士さんは、

 個人的に思っていることを書くと、今の仕立てってお客様と直接会う 機会がないので、
  昔より体型によって仕立てを変えるのが難しい気がします。
  だから私のわかっている範囲で書かせていただくと、伊藤さんのおっしゃる 通りでいいんですけど、
  細身の方ってだいたい裄が長いんですよね。(T^T)
  裄は袖幅を少し多めにとると、見た目が良いので普通は袖幅が多めです。

  細身で裄が長い方は、身幅が狭く肩幅が広くなるのであまりその差が 大きいと
  カーブがきつく無理なので、1寸差くらいが限界です。
 
  あと、体格のいい方には対応してるけど、やせ型の人でなにかを 変えるというのは
  やったことがありません。
  衿肩明も知識では体型によって増減、というのは知ってますが。
 
  衿の形も、やせている人はばち衿がよいといわれているけれど
  実際は浴衣以外のものをばち衿で仕立てたことはありません。
  胸の大きい方は広衿じゃないとはだけると思いますけど。
  単なる私の経験不足かもしれませんが、 自分の仕立てた物をお客さんが着ている所も
  見たことがないので 着てみてどうなったかもわからないんですよね

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やせた方のために仕立て方に変化をつけることは余りしないことや、
ばち衿ははだけ易いというご意見と、
やせている人はばち衿がいいと言うご意見。 

ああ、どうすればいいのでしょうか?決めなくてはなりません。
そこで、・・・・腹をくくりました。(笑)


また、Mさまから、久留米絣と一緒に送っていただいた長襦袢は、「よそいき」なので、
久留米絣と 合わせて着ないとのご連絡をいただきました。
つまり、その長襦袢のサイズにあわせなくて良いと分かりました。

6/15 女将が三花さんに送ったメールです。
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色んな方に聞けば聞くほど、やせたお客さまの仕立てって、あんまり考えられて いなかったように思います。
その必要もなかったのでしょう。
三日月布もそうですが、それでなきゃならないって事はないはずです。
関東、関西も気にしなくていい。

きもの人の仕立てで行きましょう。 それはお客さまのことを一番大切に思う仕立てです。
三花さんの腕は大した物です。 自分を信じて下さい。

その腕で、明日届くMさまの写真を見て、どんな仕立てにするか決めて 下さい。
全て任せます。(笑)

私が部分的なことを言うよりも、三花さんが総合的に見て 最善をつくしてくれた方が良い物ができると思います。
責任は私が持ちます。

もうほとんどのことは決まっていますね。 衿肩明は狭くしてみましょう。
このままでははだけると分かっていたら他のやり方に変えた方がいいですから。

後は衿をどうするかでしょう。
ばち衿、広衿、どちらを選んでも、次回のMさまのきものの 仕立てに生かされます。
Mさまが悩んだ末、ばち衿と言い、私たちにそれが悪いと言う確証がないのですか ら ばち衿にしますか?

三花さん、今悩んでいる、この事はとても貴重なことなんです。
答えが見つからないっていうのは、その答えを出した人がまだいないからだと 思います。

だからそれを見つけるための作業をしますが、そのためには 1つ1つ決めていく必要があります。
迷うけど、迷った分だけ大きな収穫がきっと返ってきます。

>Mさまのきものや今後の長襦袢などはどうしたらいいですか?

今のMさまにとって一番良いきものを作れば、それに合わせていただけると 思うのですが。
その辺は、ちゃんとフォローします。

最大の努力をしましょう!
自分が思う、Mさまにとっての最善を形に置き換えていけばいいんです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Mさまの写真の写しを三花さんに送りました。

6/17 三花さんからのメール

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おかみさん、こんばんは。
Mさまの写真とお手紙が届きました。
おかみさんのおっしゃる意味がなんとなくわかります。
Mさまに、きもの人で仕立ててよかったと心から思っていただけるように したいですね。

>プロが作る木綿のきものの仕立てについては充分に考えられていなかったのかもしれません。
> お客さまは仕立てが分からない。仕立てる人は着ることが分からない。
> 中間の人は、あまり考えないからだと思います。

本当にその通りです。 もし、Mさまに仕立てのできるお母さまかお祖母様がいたとしたら、
この娘は細いからここをこうしてあげよう、とすると思うのです。

今はこういう現状ですから、中間になる人と仕立てる人で その役割ができるようになりたいです。

私の師匠は関東で4年修行をした後、金沢(今はどうか知りませんが、
皇室の方のきものも縫ったりするところらしいです)で3年さらに 修行を積んだ人です。
なので、私達にはそれぞれのいいところを師匠なりに研究して 指導してくれているのです。
仕上げも、独特の方法でやります。
私は、自分の腕と師匠からの教えを信じて進むしかないですね。
こうして、他の方の意見をうかがうとますます混乱してきますね。

> 三花さん、腹をくくりましょう。

おかみさん、腹をくくります。(笑)
都合が悪ければ縫い直す覚悟もできてます。
確かに、太っている人に細いきものは無理だけど、痩せてる人に 多少大きなきものは
着ることができてしまうので、売る側もあんまり 気にしないのでしょうね。

> 仕立ては、今まで閉鎖的でした。
> きもの人の情報は、基本的にどんどん公開していくつもりです。
> ぱくりも出てきます(実際にありました)が、 こんな風に仕立てましたとかを公開しようと思います。
> どうでしょうか? そうしたら、どこかで見ている誰かから、色んな意見が来て 切磋琢磨できるかな?って思います。

そうですね。そうすることによって、このプロジェクトはどんどん 発展していってほしいです。

さて、Mさまのきものの最終決定です。
身丈  400 裄   165 袖巾  87 肩巾  78 袖丈  120 袖丸  21 袖付  55 後巾  72 前巾  57 おくみ巾 40 合褄巾 36 抱巾  52 くりこし 5 衿下  200 おくみ下がり 肩から58 衿肩明 22 身八ツ口 35

袖丈は、普段着ですので普段きていらっしゃるきものより 1寸くらい短くしてもよいかと思います。
丸みも大きめですので、袖としてはコンパクトでかわいらしいものに なると思います。

(私のゆかたがこれで作ってあったので、 ちょっと羽織って感じを見てみました)
衿は、ばち衿でいきましょう。 広衿で、はだけるというのですから、
まずは「変えてみる」ことを 優先して、どうしても着心地が悪ければ、広衿に直すことも 考えましょう。

衿肩明は丸く切って、三日月はつけません。 これで、おかみさんのOKがでれば取りかかります。
見積もってみたら、残布は50cm前後になりそうです。 足りますか?
この反物はもともとの総尺が短かめなので、あまりたくさまはでませんね。

話は変わりますが、私もいよいよ今週から着付け教室に通い始めました。
ということで、まだ1回しかお稽古していませんが、1回目は初めて 自分で袷のきものを着たということと、名古屋帯でお太鼓を結んだことが とにかくうれしくて終わりました。

先生が、「初めて自分で着た姿を残しましょうね」と、写真を撮って 下さいました。
もう次のお稽古が楽しみです。

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6/20 三花さんからのメール

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Mさまのきものは順調です。 もうほとんど形になっています。
衿は、ゆかたや木綿の場合は束付け(地衿と掛け衿を一緒に付けて しまう)で良いと習いましたが、Mさまが通勤でも着られることを 考えて、見栄えの良い別がけにすることにします。

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6/20 Mさまからのメール

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こんなに綿密に寸法を決めていただいて、 何だかもったいないような、おそれ多いような 気持ちです。
でも もったいながって、タンスのこやしにはしない。

子供の頃、マンガの付録を使えずに 大切にしまっていました。
結局使えずしまいで。 素敵なものは納めこんでしまう私の悪い癖です。
きものはその上、高価だし、汚すと大変なので、 ますます着づらくなってしまいます。

久留米絣は値段もおためし価格って感じで手頃で、 家で洗えそうという安易な気持ちで購入したのです。
それなのに、思いがけない展開におののきつつ、 ガンガン着ちゃおうとしています。

とはいえ、7・8月は暑くて着れないですよね。 着て出かけるのは9月までおあずけですね〜。
それに、買ったきものは必ず「どう?」って見せに 行くのですが、それができないのが残念です。
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6/22 三花さんからのメール

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おかみさん、こんばんは。 Mさまの久留米絣、完成しました。
私にできる精一杯の努力をしました。

微妙に気になっているのは、どうしても曲がった地の目が 直り切らなかったこと。
最初の反物の状態であまりにも曲がっていたので、 地のしを2回した上(いつもは1回)、へらつけのときにもアイロンで かなりの努力はしたものの、時間がたつとある程度戻ってしまうようで、 そこらへんが絹とは違うんだなという感想です。

今日、送らせて頂きましたので、明日到着すると思います。
メルマガ読みました。
> ・お客さまに、どれだけのサイズをお聞きすればいいの?
> ・サイズ以外に、補正などの着付け方や体形上の特徴などで何をお聞きすればいいの?
> ・サイズやきものの各部所の名称が分かり難い。
> ・長襦袢のサイズとの兼ね合いをどうするの?
> ・体形別に仕立てのコツをまとめられないの?
> ・お客さまによって、お仕立てへの意気込みは 違うでしょう?

その通りですね。まだまだ問題はたくさんあります。
この問題点は、来週の第2回仕立て会議でぜひみなさんで 詰めていきたいところですね。
ホームページの方も、拝見しました。 まとめる作業、たいへんだったかと思います。
ありがとうございます。

最後に書いてあったMさまのコメント、 「たんすの肥やしにはしません」というのを読んで、うれしくなりました。
もちろん、たくさん着て頂くために何度もやりとりをして 寸法と仕立て方を決定したのですけど、Mさまにとって この久留米絣が”愛する一枚”になってくれたら、私も幸せです。

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6/22 Mさまからのメール

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こんばんは こんなにいろいろなことを考えて 悩んでくださったなんて、一生忘れられないですね。
私にとっては「棚からぼた餅」又は「ひょうたんからこま」状態です。
伊藤女将様 三花様 他 皆様に深く感謝いたします。

きものには、いろんな思いがありますが、 好きっていう気持ちを素直に表現
−つまり できるだけ着ようと−していこうと思っています。

きものは長〜く着れるのだから、私がきものを着続けている間は 「きもの人 伊藤女将様」とも長いお付き合いが出来ますように
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




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