お子さまのきもの・ウールのアンサンブル

今では、お正月にウールのアンサンブルを着る機会が           

とても少なくなりました。日本の家庭の良き伝統のようなきものです。  

ぜひ、お子さまが幼い頃から、きものに触れる習慣をつけたいものです。

5歳の幼稚園児あおいちゃんのアンサンブルと肌着
 

5歳の女の子あおいちゃんのウールです。

手織りのウール、大人用の中から、お子さんに似合いそうな柄を選びました。

アンサンブルですから、羽織ときもののセットです。

【素材】

ウールは少し肌にちくちくします。

「きものは、ちくちくするもの」とお子さんが思っては可愛そう。

そこで、肌に触れる部分を、肌に優しい絹と竹の繊維「竹すがた」で作りました。

肌着の衿や身頃、袖が、吸湿性が高く発散作用も高い「竹すがた」です。

これ1枚あれば、夏以外のきものは、全てお任せ!

素材的には、夏も着ていただけますが、お子さんの夏着は、もっと軽快が良いかなと。

感受性が高くて、お肌が敏感なお子さんにこそ、素材の良いものを着せてあげて下さい。

袖と衿は、「竹すがた」をピンクに染めたものを使いました。おしゃれ〜!

もうこの時期から、おしゃれは始まっていますからね。

胸元についているひもは、絹です。

絹のひもを何回も触る感触は、ものすごく良いものです。

このひも1本で、お子さんの情操教育はかなり出来ます。(^o^)

【仕立て】

ウールは絹より縫うのが簡単でしょ、とは行きません。

今、お子さんのウールを縫えるプロは少ないです。

身長、体重、復位を図って、対丈で仕上がりますから、出来上がり寸法も成長に合わせて決めます。

それから、腰揚げや 袖の揚げも、後何年着られるか?沢山揚げを揚げたら、重くて着ずらくないか?などと考えて決めます。

愛情が有って、子供を知って、仕立ての工夫が出来ないとこの仕立ては上手く行きません。

でも、それが揃ったら、見事なお子さんのアンサンブルが出来ました。

【袖の形】

袖の形は、男の子と女の子のよって、袖の形は違います。

男の子:筒袖、舟底

女の子:元禄、袂 からお選びいただきます。

1歳半の赤ちゃんけんご君のアンサンブルと肌着
 

1歳半のけんごちゃんは、しっかり歩きますが、お座りをしていることも多い赤ちゃんです。

動くおもちゃが好きで、まだよだれも出ます。

お母さんは、お姉ちゃんとけんごちゃんにきもの姿でお正月を迎えさせてあげたいと思ったのです。

「この次は、絹のきものね」と思っています。

けんごくんの袖は、「筒袖(つつそで) 」と言って、 袖口が狭くなった活動的なものにしました。

汚しますからね。(*^_^*)

肌着の衿には、正絹で模様が入った半衿をつけました。将軍さまみたいです。(笑)

きものも肌襦袢も家で洗っていただけます。縮みは気にならない程度でしょう。

「ああ、日本のお正月!」

私は、ここから、きものの世界はスタートするのではないかと思います。

成人式や結婚式で着る晴れ着よりまえに、生活文化としてのきものをもっと沢山の方に着ていただきたいと思います。

子供のきもの

■子供のきものの袖

 お子さんの袖には次のような形があります。
 
(男の子)

●筒袖(つつそで)
 
  袖口が狭くなっています。袂(たもと)が少ないので活動的です。


●舟底(ふなぞこ)

 袖付け部分が広くなっています。袖が広いので可愛いです。

(女の子)

●元禄(げんろく)

 女の子の一般的な形です。袖丈は、一尺以内がほとんどです。


●袂(たもと)

 袖のたもとを長くして、豪華で可愛くなりました。
 正絹は良いのですが、ウールなどでなさったら重くなります。