女将のひとこと ![]() ![]() |
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トップページや商品ページでご案内した女将のひとことを、このページに集めました。 お時間がおありの時に、ごゆっくりお読みください。 INDEX ◆ タイトルをクリックして下さい。説明文に飛びます。◆
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<初めて買うきもの> 初めてきものを買うときのコツは、まず第一に色や柄のパット目立つものは控えて、配色のごく自然なものを選びましょう。 自分が洋服で日常良く目に慣れている物に近いものです。 きものというと日本的で渋いものと思いがちな方もいますが、洋服がモダンなのに、きものだからと、いきなりシックに変わるのは危険です。 まずきものも洋服に近い感覚で選び、着慣れていくことが肝心です。 気に入ったもの2,3反を鏡の前で顔に合わせ、顔の引き立つもの、顔色の明るく見えるものを選びましょう。 <きものを着る前に> きものの衿や袖口の汚れは大変目立つものです。 衿足、手首、足首など、きものが肌に触れるところは、きものを着る前におしぼりなどできれににしておきましょう。 また、きものの折り目はきものの生命線ですが、たもとなどに強い横の折り目などがついているのは 美しいものではありません。 特に目立つ折り目は、アイロンなどで消しておきましょう。 きものを着る前に帯や帯締めから付属品まで全部そろえて、手をきれいに洗ってから着始めましょう。 着始めてからあれこれ動きまわるのは、着崩れのもとです。 <雨の日> 今日は朝から雨です。 雨の日はついつい、きものを着るのが億劫になりますが、普段からきものを着慣れている方は平気なご様子できものを着ていますね。 気をつけることは、雨コートをきちんと着ること。きものが隠れる長さで、防水加工されている生地のものを着て、きものの裾をコートの中で、外側にたくしあげます。 両サイドに折り上げてクリップを使って帯や衿の下で留めると、きものの裾はぜったに濡れません。訪問先の玄関先で、そっとクリップを外すと、全然気づかれませんよ。 |
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<帯ときものの素材の組み合わせ> 昔から「染めのきものに織の帯、織のきものに染の帯」と言われていますが、 これは一般的な解釈と考えて、自分のワードローブや好みで自由に使いこなしましょう。 ただし、季節感は意識なさった方が良いかもしれませんね。 日本には四季があり、その気候変化に古来私達の生活が大きな影響を受けてきました。 ただし、春だから春柄をきなくっちゃと考えるより、桜の花柄を着て桜と共に春を過ごすと 考えられる余裕があれば、自分が自然の中に調和したようで嬉しくなりますね。 でももし桜が大好きなら、宇野千代さんのように1年中桜を着ているのも素敵なポリシーですね。 きまりに振り回されるのではなく、きまりを知った上で、きものと着こなしを 自己表現の1つとして自分なりに上手く利用することではないでしょうか。 |
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<帯の格> 帯を選ぶ時に大切なのは帯の格です。 帯もきもの同様、その格は値段ではなく、帯の種類や模様で決まります。 どんなに高価な物でも、普段着にしかならないこともあるし、その逆も あります。 「帯はきものの3倍」と言われるほど、一般的に、きものよりも帯を上等にする方がきものの格を高めると言われています。 帯の種類は、丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯。 模様については、着る方の美的センスの問題になりますが、 古典調の模様には古典調、モダンにはモダンが合うでしょう。 |
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<色無地の紬> 色無地の紬は、とても奥深く、かつ初心者でも失敗が少ない大変重宝するものです。 模様染めと異なり、用途にあわせて帯や小物を調整することで変化が楽しめます。 1つ紋を入れておけば格が高まり、応用範囲がぐっと広がります。 家紋でも良いのですが、加賀紋でおしゃれに楽しむのも良いかもしてません。 1つ紋付きの色無地は、紬でありながら結婚式や、パーティー等の正式な場所に着て行くことができます。 帯はお好みで染めや 織りを、八掛は、余裕があれば柄物を持ってくるのもしゃれています。 帯締めは、補色や全体を引き締める色を、帯揚げは、おしゃれ着らしくするには補色を お使い下さい。 補色って難しいですね。大辞林では、「一定の割合で混ぜ合わせると、光では白色光に、絵の具では灰色になる関係にある2つの色。赤、青緑など。余色、反対色」と書かれています。またの機会に詳しくお伝えしますね。 |
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<風の盆恋歌> 牛首紬の着心地の良さに魅せられて、牛首の地に足を踏み入れ、小説のようなドラマがある牛首紬にさらに虜になり、ついには 別荘を白峰に建てて、ここで執筆活動をしていらっしゃる 直木賞作家高橋 治氏の代表作の1つ「風の盆恋歌」に白峰村や牛首紬が登場します。道行きの男女が死装束を求めて白峰村を訪れ、 牛首紬の織り手と会話する場面です。 白峰は長い歴史を山に生きた人々の住む場所で、冬場に男たちの仕事はなくなる。そのため、養蚕、製糸。、紬織りなどが長く続き冬の女の 仕事になった。(略)「玉繭といって、2匹の蚕が作る繭を使って手でよりをかけますから、天然のカールがでるんです。 それが牛首の生糸が横浜で高く 買われた理由で、紬に織り上げても独特の風合いになります。」広美の説明に都築(主人公)は興味を持った。「では、結城や大島のように有名にならないのは なぜなんです」「有名だったんですよ。着物の玄人の間では。」「ほ〜う」「京都の呉服屋さんでは、牛首の羽織が着られるようになったら1人前といわれた 時代がありました。でも、ここでは、男の人が糸にも機にも全然手を出しませんから」「つまり規模が小さい」 ![]() |
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<紬のきこなし> 紬をきこなしてこそきもの好きと言われます。 「紬」という名称は、藩政時代に絹物の着用を禁じられたいた町人が自分たちのぜいたく着として絹物と区別して呼んだのが始まりと言われています。 生糸から紡いだ絹織物ではなく、生糸のくず糸として余ったものを使って織り、その出来映えもごつごつと素朴な風合いなのが紬です。 糸の光沢や色柄に惑わされず、着る人の個性が出やすいんですね。難しく考えずに、とにかくどんどん着る事が一番です。 着れば着るほど体になじんで、柔らかくなってくる紬は本当にいとおしい物です |
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<縞柄の種類> 縞柄には、大名縞、子持ち大名、かつお縞、滝縞、よろけ縞、太細縞、やたら縞、棒縞、千筋、斜縞等数多くの種類があります。 基本ともいうべき柄は棒縞で、2色の等間隔でくりかえされる棒縞は、太い物ほど男性的な明快さを持ちます。子持縞は棒縞の脇に細い縞を添えたもので、1本、2本、 3本と子だくさんもあります。 濃い色から淡い色へとぼかして繰り返す鰹縞(かつおじま)、昔風な縦長の障子格子の中に細い経横縞を組み入れれば高麗格子、庶民的な 味噌こし縞、律儀な小格子、粋な滝縞などあらゆる表情を持ちます。 横縞の安定性にくらべて縦縞は、着る人の動きにつれて変化に富んだ表情をあらわしてくれ、力強さを感じさせてくれます。 |
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<縞の歴史> 縞は、平安時代にはほとんど見られず、室町時代になってから狂言の装束等に盛んに登場します。江戸時代には、いき筋の人達に愛用されました。また、歌舞伎の舞台で「源氏店(げんじだな)」のお富や、「忍逢春雪解(しのびおうはるのゆきどけ)」の三千歳、新派の「明治一代女」のお梅などが着て、その美しい舞台衣装に憧れて縦縞が女性達に浸透したと言われます。 明治、大正も男女ともに縞の時代で、何と、ふとんも縞柄が多かったそうです。男物とふとん柄だけ集めても2千種類に及ぶそうですから驚きですね。 縞全盛の明治や大正のテレビドラマで縞が登場しないのは、テレビで縞の線が乱れて写る からだそうです。テレビの都合で縞に出会う機会が減っているのですね。 いいさいいさ、素敵な物は分かる人が分かれば良いのよ(^o^)と女将は思います。 |
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<いき> いきというと縞のきものと間髪入れずに返ってくる位、両者は密接な関係があります。 九鬼周造という人が書いた「いきの構造」という論文に、白茶、あきらめ、意地っ張り等と一緒に縞をいきなものとして扱っているそうです。 これを聞いて縞好みの女将はニンマリ。 縞は縞でも真っ直ぐな縦縞で、縞と縞の間に桜の花びらを散らしたらもういきでは無いとも九鬼は言っています。う〜ん、納得! 縞は、柄としては単純で、経縞、横縞、それを組み合わせた格子縞の3種類で、後はバリエーション。色と間隔の変化で無限の縞柄が生まれます。 その中から自分に合う物を探し出す、これも出会いですねえ。 |
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<きものの処女性> きものが仕立てあがって、いつ初おろしをするかということに、こだわっていらっしぃますか? きもの好きの方からお聞きした話なのですが、きものや帯を初めて着る日を大切に選ばれるのだそうです。 それは、女性の処女性に近い考えだとおっしゃっていました。5月5日とか、誕生日あるいはお正月とか、これぞと思われる日まで大切にしまっておいて、その日に着るのだそうです。 良い話だと思います。日常の急がしさにまぎれて、ついつい何気なく着てしまうのですが、こんな、きものを大切に扱う着方が、豊かな時間の過ごし方の1つかなと感心しました。 |
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<黒百合染め> 「植物から直接に緑色は出ない」という染色の常識をくつがえし、牛首紬は黒百合で萌葱(もえぎ)色に染めることに成功しました。 2年余をかけ、日本の草木染では初めてのことです。 昔から、黒百合からは良い色がでるという言い伝えがあり、白山に咲く天然記念物の黒百合を見て、何とか商品化できないかと 試行錯誤の結果です。原料は他の地から、ほぼ同じ品種のものを入手して、いくつかの色を出すことができたのです。 何ともいえない自然で微妙な良い色合いの数々で、見ているだけで心和むものです。 |
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<市松模様> 「市松模様は、平安時代に霰(あられ)と呼ばれた幾何学模様で、やがて石畳(いしだた)みと言われ、江戸時代に役者佐野川市松が好んだために娘達に人気となった柄です。 現代でもモダンな味わいがありますね。色彩を押さえてすっきりと着たいものです。 黒色が好きと言う方、多いですね。黒と白は万人の色と言われますが、女将がカラーの診断を受けた時は、髪の色と肌の色、そして目鼻立ちや性格までも含めたトータルイメージ でのコーディネートで、黒は似合う色とはなりませんでした。 丸い顔立ちとぼんやりした性格には、もう少し優しい色合いが良いという結論のようでした。 客観的に合う合わないという事と好き嫌いは別ですから、自分を引き立ててくれるベストな色ではないにしても、今日は私は黒を着る。と言うことで良いと思います。 重宝する色だし、若い方にも素敵に映りますね。 |
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