牧野さんのきもの選び 

     稲垣さんのきもの選びは、こちら

 

        牧野さん

今日は、牧野さんのきもの選びをいたします。

 

牧野さんは、3代続く浅草っ子です。

地元の団結力はとても強くて、毎年の浅草祭りのために、一年間、毎月毎月有志が集まっています。すご・・・い!

浅草は、芸者の置屋さんが有ったり、髪結いさんがいたりして

日本文化が沢山残っているところでもあります。

牧野さんの娘3人、全部おばあちゃんやお母さんが選んだ振袖で成人式を挙げました。

ものつくりが大好きで、生地も大好きな牧野さん、

そろそろ、きもののDNAが呼んでいるんじゃないかしら?

牧野さんには、小粋な墨色などが当然似合うだろう!

と私は思っていました。

普段の洋服の雰囲気や、気風の良い性格などからそう思ったのです。

しかし、きものを前にして、

いざ!衣装合わせ!

 

となると、

何だか、そうではないみたい??

と思えてきました。

そして、何だか手が引き寄せるようにして

「これは、どう?」

 

と言ったのが、このオレンジ系のちりめん地江戸小紋でした。

この反物を、

牧野の肩に当てた途端に

 

世界が変わりました!

牧野の、内面から

とてもなごやかで女性らしくて暖かい素敵な美しさが浮き出て来ました。

 

まあ!まあ!まあ!

ステキッ!!

似合うわねえ〜。

この似合うという江戸小紋は、藍田正雄作

特別に誂えた、しなやかで細い紬を一旦柿渋で染めて鉄焙煎し

その上から藍田先生が、「ござめ」という柄の江戸小紋で染めたものでした。

 

すご・・・い!

江戸小紋って、紬地に染めるのは、とても大変です。

そんな江戸小紋は見た事がアリマセン。

それを柿渋で染めているなんて!!

すごい!すごい!

それに、「ござめ」というのは、畳のござの目の模様という意味です。

その模様は、大判小判の大判の周囲を縁取っている柄でもあり

大変金運が有る柄ですね。

 

 

牧野さん・・・・・・・・・・・ますます・・・・うっとり!です。

 

うふふっ・・・・

 

と、牧野さんは、鏡を見ながらまんざらでもなさそうです。

もう、本当に、このきものは、

 

文句なし!!

 

に似合います。

うっとり・・・・・・・・・・・・・・・・・・です。

 

こう言うのを、「似合う」って言うんですよね。

こんなに似合う反物に出会ったら、これ以上のものを探す必要は無いのです。

だけど、牧野さんにとって初めての体験でもありますし

他の反物も、肩に当ててみることにしました。

 

右に、もう少し薄い色合いでちりめん地の江戸小紋を当ててみました。

少しの色の違いですが、左の「ござめ」がずっと似合います。

では、この水色は?

うううう・・・・・ん、悪くないけど、少し違います。

この緑は?

 

悪くないけど、断然!「ござめ」が似合います!

では、この墨色の毛万筋は、どうかしら?

 

ああ・・・やっぱり!ござめの方がいいわね。

さて、では、茶色はどうかしら?

茶色もいいけど、ステキに見えるのは

やっぱり!ござめの方ね。

 

うん!

牧野さんには、このきものが最高のようです。

さあ次は帯選びをしましょうね。

この染め帯は、どうかしら?

 

あっ、それいいですね。

 

 

はい。はい、前はこんな柄になっているの。

牧野:ニコニコ

 

このおびだとね、帯揚げは、こんな色合いが合うのよ。

薄いピンク

濃くて明るいえんじ

きれいなグレー

それぞれで、随分変化するでしょう?

さあ、どの色が好きですか?

 

じゅああ・・・ピンクにします。

どうですか?

こんな風に、やさしい牧野さんの出来上がり!

です。

きものも、帯も、小物も、着られる方の個性に合わせて選びます。

その個性とは、表面的なものだけではなく

内面の、「こんな私が好き!」とか

「こんな風になりたいの!」という個性でもあります。

帯を、染め帯から袋帯に替えると、こんなに雰囲気が変わります。

 

ぐっと豪華になりますね。

これで、浅草の小じゃれたお店でパーティはいかが?

質の高いきものは、安心していろんな帯の変化を楽しめます。

さあ、牧野さん

牧野さんのきものの世界が、これからスタートするのね?

応援の拍手! パチパチ!!

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