秋の稲作業が終了すると同時に苧績み(おうみ)という糸作りが始まります。
この作業は相当な熟練を要し根気を必要とします。
現在では、この苧績みができるのは年配の女性7〜8人しかいません。
こうして出来上がった糸を染料で染め上げ冬場機織りが始まります。
植物繊維は、化学染料では堅牢度が低く太陽に当たると変色し、
また水に弱く色落ちしてしまいますので高価な反応染料を使用します。
「からむし」糸は製品にすると強く丈夫ですが、織る段階では
すぐ切れてしまいます。
雪の降る湿気の多い時期に機織りをすることが糸切れ防止に
一役買っているのです。
機織りは、今ではほとんどの織物産地が効率化、合理化を求め、
力織機を使用し量産体制になっていますが、
「からむし織」は、力織機では経糸(たていと)の摩擦で糸が
すぐ切れてしまうので、昔ながらの高機(たかはた)や 居座り(いざり)機で丁寧に織り上げ1年もかかって 漸く1反の反物が完成します。 |