■ 選繭(まゆより)
まず、繭の選別から始めます。
牛首紬は、古くから牛首紬は選除繭(せんじょまゆ)と
呼ばれる繭を使用してきました。
選除繭とは、生糸にしても高価では売れない玉繭(たままゆ)や
屑繭(くずまゆ)のこと。
現在では希少性が高く高価な玉繭を使用しています。
玉繭とは、2匹の蚕が1つの繭を共同でつくる繭のことです。
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■ 煮繭(まゆにい)
選繭した良質の繭から糸を引き出すために、適当な温度で煮沸します。
これは繭にあるセリシンを取り除くためで、品質確保のための重要な
工程の1つです。
煮沸する温度次第で、真綿のようになってしまったり糸が引けなかったり
するので温度の管理も重要なポイントです。
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■ 選糸(ざくり)
煮繭の終わった繭から1本の生糸を取りだします。
足踏み繰糸機で、釜の中で繭を浮かせながら糸をいります。
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製糸(のべひき)

繰糸釜の湯の中へ煮立った繭を入れ、玉繭60個から引き蜘蛛の糸のように
細い糸を引き出し、1本に合わせます。
都合120本の糸が複雑に絡み合って横糸となり、「釘抜紬」(くぎぬきつむぎ)とも
言われる牛首紬の強さはこの玉糸にあります。
しかし、2匹の蚕が不規則に糸を吐いているために2本の糸は絡んだ状態で、
それらをムラのない糸にするのは、技術者のカンに頼っており、熟練した者で
なければ玉繭は扱えません。
約4000個の繭で1反分の糸を引きます。
牛首紬独特の伝統的手法です。
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■ 撚糸
(ねんし)
1本または2本以上の糸にヨリをかます。撚糸により強度や伸縮性などを変化させることができます。
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■ 精錬(かせわり)
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■ 染色
草木染です。
特筆されるのは、古老の記憶に従って奈良・平安時代の古法を復元させたという藍染めです。
化成ソーダやぶどう糖を入れたりせずに、スクモを灰汁で溶き、自然に発酵させるという
本来の藍染技法で、藍の美しさや堅牢度もこの方法にまさるものはありません。
空気の入ったいい糸に最善の染めとして表現されます。
また、黒百合から良い色がでるという伝承を元に、「直接に緑の色は出せない」と言われる
萌葱(もえぎ)色の染色を完成させました。
黒百合染めのページをご覧下さい。
(白生地は、後染めとして京都や金沢で染められます。)
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■ 糊付け
織るときに縦糸の摩擦を避け、糸はけを良くするために少量のふのりをつけ縦糸を固めます。
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■ 図案
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■ 糸撚り(いとより)
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機掛

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■ だ巻
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機織り
縦糸が入る毎に点検をし、上下の縦糸で包み込みように織り上げられます。 糸が柔らかいので特に絣合わせが至難です。
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■ 仕上げ検査
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