原品は聖武天皇がご使用になった肘懸にはられている裂地で、葡萄唐草をめぐらした円紋の中に一羽の鳳凰を織り出しています。円紋の中に動物を置くペルシャ式の文様構成と、中国の文様である鳳凰、そして葡萄唐草という東ローマ式の意匠とが巧みにひとつの構図をなしており、奈良時代の文化振幅を如実に物語るものといえます。文様、配色、織技のそれぞれにすぐれた緯錦です。本品では、原品の図様を縮小し織法は経錦にしてその持つ独特の風趣を生かした配色を工夫しました